8月23日、未来図書館で活動する大学生と高校生による震災伝承スタディツアーを行いました。陸前高田市の東日本大震災津波伝承館の見学の後、高田松原津波復興祈念公園パークガイドの方のお話を伺いながら、防潮堤、奇跡の一本松、気仙中学校を案内していただく内容です。個々に感じたことをシリーズでご紹介いたします。
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★岩手県立大学4年 佐々木渉
私が陸前高田市の震災伝承スタディツアーで感じたことは、震災によって引き起こされた被害や当時を生き延びた人たちの証言などを「現実」で学ぶことの重要性だ。現在は、電子端末の普及や自治体によるSNS発信の活発化により、情報をインターネットから「検索」して学ぶことができる。無論、多くの人が情報に触れることができるようにすることは、震災の記憶の風化を防ぐため、非常に大きな効果がある。そのうえで、震災遺構などの施設を見て回りながら語り部さんのお話を聞くといった現実の体験でしか学べないことがあるのも事実だと実感した。津波によってへし曲げられた鉄骨や原型を留めないほどに破壊された消防車の実物を、この目で見た衝撃と恐怖。あの日、あの時、人々が生き延びるために何を考えて何を思っていたのか、語り部さんの思いが籠ったお話に引き込まれる感覚。これらは検索するだけでは学ぶことのできないものだ。まさに「404 not found」である。
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★盛岡大学3年 大串蒼空
今回の震災伝承スタディツアーでは、主に次の2つが印象に残りました。まず、「これで祈ることができます」と頭2つのお地蔵さんを作った高齢女性のお話で、生きているのかどうかもわからず、ずっと行方が分からない家族を「どこで」「どこを向いて」祈れば良いのか、その女性が抱えていた「祈る」ということに関するお話から、祈るとは何なのかをとても考えさせられました。
また、震災前の砂浜にたくさんの松が植えられていたが1本のみを残し全て倒れてしまったお話から、住む場所が違ければそれに対する考え方が違うこと。そして地元の人々は、なぜ何度植え直した松が流されてしまってもまた植え直し同じことを繰り返すのか、そして海と生きるということを少しでも学ぶことができたのではないかと思いました。
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★盛岡大学3年 小野寺小雪
先日は震災伝承スタディーツアーに参加させていただき、ありがとうございました。初めて参加しましたが、考えさせられることも多くあり、とてもいい経験になりました。
今回震災伝承スタディーツアーに参加し、東日本大震災津波伝承館や高田松原津波復興祈念公園を見学した。実際にお話を伺ったり、展示物を見て、家族や大切な人、物を失った人々の苦しみに以前より深く共感出来た。明治、昭和、平成と三陸の地は繰り返し津波の被害を受けている。今後もおなじように地震や津波と脅威と向き合いながら生活しなければならないだろう。津波のことを忘れず、昔の人々の思いを私たちのような若い世代が受け継ぎ、少しでも被害を減らし、苦しい思いをする人を減らしていきたいと感じた。