震災伝承スタディツアー~高校生と大学生が感じたこと①|みらいとしょかん (miraitoshokan.com)
高田松原津波復興祈念公園・震災遺構気仙中学校を訪れ、高校生と大学生が感じたことの2回目 ~ぜひご一読下さい。
★ 盛岡大学 4年 袴田新七 「色んな過去や背景、人生がある」
今回、印象に残ったのは、大震災で約1万8千人が命を落としていることで、中でも印象的だったのはガイドさんから聞いた「陸前高田の家庭は家族で誰かひとりは命を落としている」という話しだった。
これは命を落とした方と今の自分を照らし合わせて見ていたからかもしれない。自分は今、家族や友達や周りの人に支えられ、沢山の大切な人と日々過ごせている。もちろん命を落とした方にも様々な人生があって、それぞれの過去や居場所、宝物があったと思う。そして家族やその人を思っていた人、関わっていた人は少なからずいると思う。1万8千人、そして遺族に関わるそれ以上の方たちの過去や背景、人生が伝承館で見た1文、話を聞いた数分間、鳥居に記されている点に詰まっていると思うと言葉にするのは難しい感情になった。
ツアーを通し、毎日に感謝して生きていこうという思いが更に強くなった。誰しも様々な過去や人生があることを心に留め、偏見をもたぬ、強くて優しい人に近づいていきたい。
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★ 盛岡大学3年 小野寺梓
今回の震災伝承ツアーで、津波により高田松原の皆さんが海と共に生きることでどんな対応をしてきたのか学んだ。震災の教訓を伝えていく為に様々な工夫が国営追悼・記念施設に施されていることも知った。
『海を望む場』で海へ向かって黙祷を行った時、なぜ海へ向かって黙祷をするのかを聞かれるまで何の不思議もなく黙祷を行った私たちだった。あの後気になって調べてみたら、私が一番しっくりきたものを見つけた。
人は亡くなる直前に海の匂いを発するそうである。人は亡くなると細胞が死んでナトリウムが飽和し、そのナトリウムが飽和した匂いが死臭である。海ではプランクトンの死臭によって同じような匂いが発生されるそうである。
これらを踏まえて、私たちが海を見るとどこか懐かしいと思うのは、海に多くの命が眠っているからではないかと考えた。津波で亡くなった人々は、高田松原を超えて海へと命が戻っていったのではないかとツアーを通して感じた。